2025年・会期を終えて

おかげさまで2025年も会期終了いたしました。
本当にありがとうございました!

会期中に気づいたこと、気になったこと、傾向や状況などつらつらと書き残しておこうと思います。
ひたすらに長いのでお時間のあるときに斜め読みしていただければ幸いです。


2025年お預かりした糸は(販売希望のミッション糸を含め)532かせ
うち販売した数は345かせ。

一昨年2023年は513預かり/269販売(52.4%)、昨年2024年は496預かり/315販売(63.5%)ですので、預かり数、販売数ともに上昇です。

64.8%はかなり良い数字、と思っています。
(このまま年を追うごとに上昇が続く、なんてことはない(と思う)のですが、人間はオロカな生き物なので期待はしてしまいますね。どのあたりまで上がってから止まるかな、とちょっと期待と不安が入り混じっております)


お預かりした糸の色、雰囲気、技法、原材料にかなり左右されるので「あくまで参考」程度に見ていただきたいのですが、今回の五日間(11/19~23)での(糸のみの)販売合計額と販売した綛の数、売れた糸の「最大値(最高値)」「最小値(最安値)」「平均値」「中央値」をグラフ化しました。

2025年の会期通しての最大値(最高額)は1綛(セット)¥9,240、最小値(最安値)は¥550です。
……最安値を底上げしていきましょう! もっと! 積んで!!(毎年言っている)

要項に記載しております「上代¥40 /g」はあくまで「最低ライン」です。
かかる手間、かかる時間、原材料などを計算に入れて、ちゃんと「積んで」いきましょう。
(今年果敢に積んでくださった方が複数人いらして、納品書拝見しながら「よしよし」(偉そう)と思っておりました。)

過去4回開催してみて、「高いものが売れない」わけではなく、同時に「数百円の安いものだったら売れる」というわけではない、と実感しています。
「欲しい糸」なら、お客様は買います。(その「欲しい」がどこにあるのかを各自が探っていく必要はあります)

もう一つグラフを。
こちらは各日の「購入者数(レジで決済した回数)」と「平均購入額」です。(こちらのデータは糸以外の羊毛などの決済も含みます)

今年は全体的に「購入額が高い」と感じることが多かったです。
つまり「まとめ買いが多い」。

もちろん手紡ぎ糸1綛のみ、羊毛1パックのみをお買い上げになるお客様がいなかったわけではないのですが、それを上回る「まとめ買い」がとても多かったな、と。

初日11/19はやはり気合が違います。壁にかかっている糸も一番多い日ですので、「絶対に好みの糸をゲットする」という意識の強い方が多いです。
そしてご来場の人数が多い上に一回あたりの平均購入額が6500円を越えています。(昨年の初日平均購入額は6300円代でしたので、お客様お一人あたりの購入額も上がっています)

今年は二日目の購入者数が少し落ちました。が、平均購入額が初日と同じくらいなのが意外です。やはり「コレ!」というまとめ買いが多かったです。
初日二日目くらいまでは「アートヤーン強し」な印象。

今年は三日目が購入者数、平均購入額ともに落ちなかったのが以外でした。(昨年は三日目ががくっと谷間のように落ちたので)

四日目11/22は土曜日だったので、平日に動けなかった方のご来場が大変多かったです。会場が常時混雑していました。
平均購入額が期間中最も低く(でも4000円越えてる)、比較的まとめ買いが少なかったことがわかります。

五日目11/23は15時終了と早め閉場のため客数が少なかったにもかかわらず、平均購入額高め。
15時クローズ間際まで糸を迷っておられるお客様がいらっしゃいました。また、複数まとめ買いされる方がとても多かったです。
天然色や落ち着いた印象の糸が多く動きました。

どの日も平均購入額は中央値を越えていますので、単品で購入される方は少なかったことがわかります。

皆様にお送りした販売明細には「どの糸が何日に動いたか」を記載しています。
ご自身の糸の販売傾向として「早めにガンガン」タイプなのか、「後からじわじわ」タイプなのか、把握するのにお役立てください。


今年も会場内のパノラマ写真を撮っておりました。
全体を見渡して、糸の量が着実に減っていくのがわかるかと思います。

前日設営開始前
初日 11/19 開場前:これ以上かけるところがない、というくらい糸糸糸…
二日目 11/20 開場前:正面壁の左側があいてきました
三日目 11/21 開場前:正面壁、左側に羊毛が侵食
四日目 11/22 開場前:目に止まりにくい最下段や手が届きにくい高所がなくなりはじめます
最終日 11/22 開場前:糸も羊毛もかなり減りました。でも売れ残り感は少なかったです(ちゃんと売上がたっている)

初日で100綛、三日目終了時までに200綛、四日目半ばで預かり全体量の半分260綛が売れているので、どんどん隙間が空いていくのがわかるかと思います。

あまり「売れ残り感」が出るのはよろしくないなあと思っていましたが、どの糸にも底力があるせいか、最終日は「美術館の展示」感がありました。そのおかげか、最終日もまとめ買いがとても多かったです。


キャッシュレス決済率は(金額ベースで)66.52%。
昨年は59.78%、一昨年は50%ですので、着実に増えてきていますね。

レジを打っていて感じたのは「高額決済になればなるほど、キャッシュレス率は上がる」です。
現金を多く持ち歩かなくなっているのでしょうね。額面が高くなると、さっと「カードで」という感じです。

いともりでは(主催であるひつじやの決済環境をそのまま流用し)楽天ペイ+Square+Paypayでクレジットカード、QRコード決済、交通系IC、WAON等とカバーしています。
特にタッチ決済可能クレジットカードが対象であれば、Square+スマホで素早く決済できます。ご自身でもイベント出展されるのであれば、Squareだけでも契約しておくのがおすすめです。


■在廊大歓迎です
一昨年よりも昨年、昨年よりも今年、と在廊してくださる方が増えて有り難い限りです。
在廊のメリットは「手紡ぎ糸だけを並べている会場に来られているお客様が、どんな糸を買うか」直接自分の目で見れることかと思います。

自分の出展イベントでは「自分の糸が手にとってもらえるかどうか」しか見れませんが、てつむぎ糸の森では「誰のどんな糸が手にとってもらえているか」が見れるのが強み。
なにが好まれ、どんな糸が手に取られ購入されるのか。複数の糸で迷われている場合、最終的に購入されるのはどんな糸なのか。

来年以降、機会がありましたらぜひ在廊をご検討ください。多分得られる情報は多いと思います。

■作家さんにこだわらず、まとめ買いされる方が増えました
昨年は「この作家さんの糸」でまとめ買いされる方がほぼほぼだったのですが、今年は多種多様な糸をまとめ買いされる方が目立ちました。

おそらくは手編み作家さんの購入かと思うのですが、「市販されていないテイストの糸」がガンガンまとめ買いされていきました。
1回の決済で2万3万Over当たり前、という感じです。(在廊してくださっていた出展者さんと「富豪だ…!」とどよめいておりました)

4回目の開催ということで、イベントが定着したこと、また「市販されていない珍しい糸がたくさん欲しい」という方にイベントを知っていただけてきた、のだろうと思います。

■織り糸と編み糸
今回は織り糸も編み糸も出していただきました。
織り糸は不人気かというとそういうわけでもなく、市販にはないような質感のある糸、市販ではなかなか見かけない深い色合いの糸、などはよく動いたと思います。

後述する「ターゲット」と「自分の競争相手を知る」にも繋がりますが、自分の糸を買ってくれる「ターゲット」が明確な糸は動きやすいように思います。

派手なものが良い、奇抜なものが良い、ではなくて、「この糸で何を編んで/織ってもらうか」もしくは「自分はこの糸のここが可愛いと思って作っている」が明確な糸は御縁がつきやすいのかな、と感じています。

■綛数は多めでいこう
てつむぎ糸の森では30点以内1kg以内という制限があるので、「その制約と折り合いをつけながら」という大前提がありますが、「点数は多めが良い」というのはあるのでは、と思っています。

532綛中の10綛と、532綛中の30綛であれば、後者のほうが「よりお客様の目に入ります」。
また、まったく同じテイスト色調の30綛とバリエーション豊かな30綛なら、より多くの人のニーズに合致しやすいのは後者です。(前者は合う方がいれば大当たりですが、居ない場合は大外れルートなので)

少数精鋭でいくのももちろんアリですが、お客様の立場にたって「他の多くの糸に混じった場合、自分の糸はどう見えているか」という視点を持つことも必要かもしれません。

■SNS発信、超重要
「この作家さんの糸をSNSで見て、実物を見たくて/買いたくて」が何度もありました。
発信はとてもとても重要です。

またお客様が購入された際、その糸を紡いだ方が在廊している場合はレジから作家さんを呼ぶようにしておりましたが、購入のお礼と同時に「何に使うのか」というリサーチ、そして「ぜひ作ったものをSNSにアップして欲しい(見てみたい)」という情報ゲット&拡散をちゃんとしている方が多くて感心しました。
素晴らしい働きかけだと思います。

■自分の糸の「競争相手」を考える
販売時「ターゲット(購買層)」を考えると自分の活動の舵取りがしやすいのですが、同時に自分の競争相手も考えたほうがいいかもしれません。

編み物をする方をターゲットにするのであれば市販の編み糸や工業糸が、織物をする方をターゲットにするなら織り教室で頒布している織り糸などが「競争相手」になります。

その競争相手(の販売単価)と同じ土俵に立ったとき、自分の糸はお客様に選んでもらえるのか?
価格では勝てないかも、と思ったとき、勝率を上げるために自分はなにをしなければならないのか?

てつむぎ糸の森に出す以上、「手紡ぎである」ことは大前提です。
ご来場されているお客様もそこはわかっていらっしゃるので、「手紡ぎであること」は最重要セールスポイントにするには威力が弱いのです。(壁にかかってる糸が全部「手紡ぎ」なので)

「てつむぎ糸の森」に出すならば、できればもう一つ二つセールスポイントが欲しいところです。
「私はなぜこの糸を紡いだのか」「どう使われることを想定しているか」「自分ならばどう使うか」「どこにこだわったのか」等など。

つまり「紡ぎ手の語り」では、と私は思っています。

その表現方法は様々です。色々な方法があると思います。
在廊してお客様に相対したときにお話する、作品タグに写真をつけるメモをつける、なにもつけないけれども他の人とは違う糸を紡ぐ、SNSで事前に1綛づつ発表していく、いろんな方法があるかと思います。

「作家はファンがつくと強い」です。


以下は主催からのお願いです。

要項は厳守してください。
納品書の形式変更、商品番号の振り方(ルール)の変更、ミッション糸販売時の注意など、毎回「昨年と同じ」とはまいりません。ところどころ時勢にあわせ都合にあわせて変化しています。

要項は熟読し、不明点は問合せてくださるようお願いいたします。

特にミッション糸は「カセの本数は問いません。またカセの重量も問いません。複数カセになる場合は分割できないよう1セットにまとめてください。」としたのですが、分割販売形態の方が多かったです。


来年は今年同様11月第四週、2026年11月18日(水)~22日(日)を予定しております。
会場は同じく「写真企画室ホトリ」。

今のところ、募集要項公開は2026年4月、募集受付は5月上旬、出展確定は5月末、という予定です。


おかげさまでなんとか2025年、第4回目も無事終幕となりました。

在廊してくださる方も年々訓練され、設営も撤収も早い早い…本当にいつもありがとうございます!
毎回「自分一人でもなんとか回せる状況厳守」と思って開催しておりますが、皆様のおかげで大変楽をさせていただいております。感謝感謝でございます。

「てつむぎ糸の森」に関しては「自分が頭を下げて責任がとれる範囲(規模)での開催」は今後も変わりませんし、変える気もありません。
来年以降も人数は20~25名以内で、自分がコントロールできる範囲での開催を目指します。

皆さんにも(売上以外で)少しでも学びや収穫があったのなら嬉しいです。

本当にありがとうございました!

てつむぎ糸の森事務局
小野寺照枝(ひつじや)