2023年・会期を終えて

おかげさまで2023年も無事に、事件事故などなく終了いたしました。
本当にありがとうございました!

皆様にもご協力いただいてDM(1,500枚!)をほぼ全部配布したおかげで、「お客様が途切れることがあまりない」五日間でした。(CLOSE間際の夕方こそ閑散とはしておりましたが)

会期中に気づいたこと、気になったこと、傾向や状況などつらつらと書き残しておこうと思います。
ひたすらに長いのでお時間のあるときに斜め読みしていただければ幸いです。

三日目(確か)朝に、ギャラリー奥からパノラマ撮影してみました。もうすでに糸と糸の間隔が広くなっていますね。

お預かりした糸は(販売希望のミッション糸を含め)513かせ
うち販売しました数は269かせ。

(ギリギリですが)半分は販売、という感じです。

搬入日は糸を吊るすスペースを探すのに苦労したのですが、後半は奥の壁がまるっと一つ空きましたし、糸と糸の間にだいぶ余裕が生まれていました。
(当記事のラストに搬入直後と最終日の壁の写真を掲載しております。見て「…減ってる!」と分かるかと思います。)


お預かりした糸の色、雰囲気、技法、原材料にかなり左右されるので「あくまで参考」程度に見ていただきたいのですが、今回の五日間での糸のみの合計販売額と販売件数(綛数)、売れた糸の「最大値(最高値)」「最小値(最安値)」「平均値」「中央値」をグラフ化してみました。

いずれの日も中央値が最大値に比べてだいぶ下なので「低めの価格帯(¥2000前後)がよく動いた」ように見えますが、レジを預かっていた感触では「¥2000~3000の糸は単品で動くことはほぼなく、2~4本まとめ買いが多かった」という注釈を入れておきます。

また会期中の売上高についてですが、初日こそ別格ですが、後半になっても大幅に落ちるということがありませんでした。(個人的な経験ですが、日を追うごとに「前日の半分」になっていくことも少なくありません)
皆さんから多種多様な糸をお預かりできたことによって、後半になっても「選ぶ&探す楽しさ」をキープし続けられたことも大きいのでは、と見ています。やはり「物量で殴る」は有効…!

今後の課題でもありますが、主催としては最小値(最安値)をもう少し底上げしていきたい、という希望があります。
価格付けはどなたにとっても苦しく悩む点だとわかってはおりますが、かかっている手間を考えると1綛が¥1000を下回ることはないんでは…?と思ってしまうのですよね。
来年以降、すこ~し心にとめて糸の選定や価格付けをしていただけると嬉しいです。


昨年と比べ、「OPENを待っている、OPENと同時に会場に入る方」が少なかったです。
ある程度物量があるとわかっていて、かつ自分の好みの糸は(探せば)きっとある、という安心感、なのでしょうか??

初日はとくに「酒井さんのお話会」があり、なかなかの盛況っぷりでした。
必殺行き当たりばったりでしたが、うまいこと回してくださった酒井さん、SPINNER’s lab baruさん、ありがとうございました!

手前(酒井さんvbaruさんの後ろ)にも、衝立の向こうにも人がいました

キャッシュレス決済率は(金額ベースで)50%を超えました。(昨年は1/3ほど)

ご時世ですね。
ご自身でもイベントに出られる方は、キャッシュレス決済手段は用意なさったほうが良いと思います。

いともりでは(主催であるひつじやの決済環境をそのまま流用し)楽天ペイ+Paypayでクレジットカード、QRコード決済、交通系IC、WAON等とカバーしています。
d払いなどのキャリア決済は対応外となりますが、だいたい皆さんクレジットカードはお持ちなので問題ない感じです。


価格について。
当イベントにおいては「安いから売れる」「高いから売れない」はほぼない、と考えていただいて差し支えないかと思います。

昨年のご報告にも書いたのですが、今年も「高い」という声は聞こえませんでした。(心の中まではわかりませんが)
逆の「この価格で本当にいいんですか?」「安すぎる気がする」は何度か。

同じ10gでも糸の太さや原料、テクニックなどで「かかる手間と費用」は変わってくるはずです。
最低単価として¥400~/10gと提示しておりますが、来年以降はご自身のかけた手間を考え、適宜「積んで」くださいませ。

「積んで」も「刺さる糸」は売れます。
(ただまあ、この「刺さる」というのが概念というかふわっとしたものなので、なんとも歯がゆいところではあります。明確に傾向として文字に書き出せたら勝利が約束されるんですが笑)

開催側としてはお預かりした糸をうまいこと「合う」方に繋げられるよう、これからもご来場者を増やす努力を続けなければいけないなあと改めて思いました。(来場者が増えればそれだけ当たる確率も上がるので)


どういう糸を作っていきたいのか、にも作家性があると思うのですが、販売側とすると「多様性(色や種類等)があると個人売上の安定性は増す」と感じています。

同じ色同じ太さ、は大物を作る(編む)には必須ですが、当イベントにおいては着分をお求めになる方はあまりいらっしゃいません。(今年は「着分ありますか」と聞かれることもありませんでした)

「人の好みは千差万別」なので、提供する糸に多様性がある方はそれだけ多くの人に対応でき、結果として購入される確率が上がっている、と推測しています。

ある程度の「トライ&エラー」が必要な話なので、なかなか「自分のスタイル」を探すのは難しいかと思いますが、少し心に留めて糸作りや出展糸の選定をしていただけると良いかと思います。


今年も「ビビッときた運命の1本」を持ち、似合う別糸を探して会場を何周もされる方が沢山いらっしゃいました。
あと「運命の1本」を持って入り口の自己紹介プレートを見に行かれる方もたくさん。

以前からハンドメイド界隈ではよく言われていることですが、「ファンがつくと強い」のです。
SNSを見て次回出展に合わせて来場してくれる、新作アップすると購入を検討してくれる、等など。

ただまあ執着に転じて「超面倒臭い💢」になることもあるので一概に「いいこと」ばかりでもないのですが、今後もプロとして販売を続けていこうとお思いの場合は「上手い立ち回り」を念頭においても良いのではないかと思います。SNSで購入報告をされている方がいらしたら、イイねひと押ししておくとか


納品書も売上タグも、手書きで一向に構いません。
ただ、「読みやすい字・判別しやすい字」を死守してください。これは必須です。

私も本当に悪筆なのでひと様に言えた筋ではないのですが、「価格が読みにくい」だけで自らハードル一段上げているようなものです。

また振込先の記入忘れが多かったです。
こちらが提示したファイル(フォーマット)を使わない場合にも「必須項目は必ず記載する」を守ってくださいますようお願いいたします。


昨年よりも「東京ヤーンクロール」のスタンプだけが目当て、の方は少なかったです。

いともりは「別に買わなくてもスタンプ押してっていいよ」スタイルなのですが、6~8割ほどは糸を購入していってくださいました。(昨年は入ってくるなりスタンプ押して、糸も会場も見ずに出ていく人が少数ですが居ました笑)


来年は会場の都合で2024年11月13日~17日となります。
(11月の第四週から第三週に繰り上げになります)
会場は同じく「写真企画室ホトリ」。

今のところ、募集要項公開は2024年4月、募集受付は5月上旬、出展確定は5月末、というざっくり予定でおります。
(今年は自分のホビーショー準備期間と被せてしまって心底後悔しました…)

昨今の諸経費高騰を受け、2024年からは会場レンタル費用が1.5倍ほどに上がる、との連絡をオーナーさんからいただいております。
大変申し訳無いのですが出展料も増額となる可能性がございます。予めご了承くださいますようお願いいたします。
(ですので、皆様糸の価格UPを計画してくださいホントに! 出展料や搬入出費用、交通費、ちゃんとカバーしきれる価格設定を!!)


「23名の本気」がずらりと並んだ会場は本当に見応えがありました。
これだけの方にご協力いただいたことに大感謝です。

本当にありがとうございました!

てつむぎ糸の森事務局
小野寺照枝(ひつじや)

搬入直後。かなりみちみちです。
最終日。すかすか~。写っていない手前の壁は空っぽです。